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【読書メモ】動かぬ牛 5分文庫 (著:サキ)

物語・小説

サキの「動かぬ牛」を読んだ感想です。

動かぬ牛 5分文庫
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書名:The Stalled Ox
著者:Saki (1870-1916)
著者国籍:イギリス
初出/刊行年:1914年



ひょんなことから牛の絵を専門にする画家エシュリー。
ある日、隣人の女性が助けを求めに彼のもとへやって来る。
彼女の家の庭に1頭の大きな牛が迷い込んでしまったのだ。
ただ牛の絵を描いているだけのエシュリーに、庭にいる牛をなんとか追い払ってほしいと頼む隣人。
エシュリーは無事に牛を動かすことができるのか?!


すごく面白い短編でした。
まんべんなく散りばめられている皮肉がいちいち面白い。

主人公が牛とクルミの木を描いた絵で王立アカデミーに選ばれた時は、
『王立アカデミーというのは、若手芸術家たちに保守的で型にはまった作風を期待する傾向があるのだ。』

隣人の庭にいる大きくて逞しそうな牛が、自分の描いてきた可憐な牝牛とは全く違ったときには、
『クルド人遊牧民の族長と日本の茶室の女の子くらい違っていた。』

他にも隣人の女性アデラとの掛け合いも、トゲトゲしくも面白く勢いがあって、二人が牛を前にめちゃくちゃ焦っている雰囲気が伝わってきました!

解説で翻訳者の方も書いているのですが、この本のタイトルは旧約聖書の一節にあるそうです。

Better is a dinner of herbs where love is, than a stalled ox and hatred therewith.
野菜を食べて互に愛するのは、 肥えた牛を食べて互に憎むのにまさる

stalledには故意に太らせたという意味と、動かなくなったという意味があり、聖書の中での「肥えた牛」と物語の中の「動かない牛」をかけているそう。
このエシュリーのセリフを今回の一言まとめにしようと思います。

一言まとめ
「憎しみ合う相手と動かぬ牛を食べるくらいなら、愛し合う相手と野菜を食べたほうが良い」
(本文引用)



何かをもじってあったり、意味をかけたりするのってかっこいいですよね。
私もそんな言葉遊びができるようになりたいです。


追記:物語の中に出てくるBovrilという製品。
1870年代にイギリスで開発された濃縮牛肉エキスのペーストらしく現在も存在しているらしいのですが、いくら想像しても美味しそうに思えません。
ネットで検索したらパンに塗ってある画像があり更に頭の中が混乱しています。
どんな味なんだろう?(牛肉の味だろうけど)

動かぬ牛 5分文庫
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※本記事は個人的な読書感想・読書メモです。

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