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【読書メモ】父滅の刃~消えた父親はどこへアニメ・映画の心理分析~ (著:樺沢紫苑)

心理学

樺沢紫苑の「父滅の刃 ~消えた父親はどこへ アニメ・映画の心理分析~」を読んだ感想です。

父性がどう表現されているかという切り口で、映画やアニメの分析をしている本です。
映画やアニメをたくさん見ていなくても、興味がある人なら必ず参考になる一冊。

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書名:父滅の刃 ~消えた父親はどこへ アニメ・映画の心理分析~
著者:樺沢紫苑 (1965-)
刊行年:2020年

この本について

父性の時代から父性不在・消失の時代へ。
映画やアニメにおける父性の描かれ方を分析し時代の流れを解く。

父性とは子どもに我慢や規範を教え、責任主体とし理想を示すこと。「切る」原理。厳しさ、規律、鍛錬。

母性とは子どもの欲求を受け止め、満たして子どもを包み込んでいくこと。「包む」原理。受容、保護。

父性の時代では父親(または父親のような強大な敵)を倒して大人へと成長する物語が多かった。
しかし父性の喪失が進行し「父親探し」の作品が多くなる。
1973年のエクソシストでは父性の敗北がテーマ。

こうして時代は父性消滅の時代に入る。
父性とは社会へ出ていく力、自分で切り開いていく力なのでこれが不足することでひきこもりや、新型うつ、不登校などが増える傾向にある。
作品だけでなく現代の生きづらさにも通じているテーマ。

感想
めっちゃおすすめ!

今まで樺沢さんの本はたくさん読んできましたが、その中で一番興味深かった本です。

紹介されている作品はたぶん半分も観ていませんが、どれもわかりやすく解説されているので全く問題なく楽しめました。
特に、圧倒的なヒーローはもう存在しない、父性の消滅宣言だ!という『アベンジャーズ/エンドゲーム』の解説が印象に残りました。

人には父性と母性がある

人は父性と母性の両方を持っている。

しかし家族の場合は、父親が主に父性を担当し、母親が主に母性を担当しないと子どもは精神的に不安定になってしまうと樺沢さんは言います。
この役割分担だと、厳しい父は日中は仕事で家に居ないので子どもはリラックスできるが、もし専業主婦の母親が父性を使い怒鳴り散らすような厳しい環境だと、子どもはいつもそんな母親と一緒に過ごすので不安定になってしまうらしいです。

しかし私は少し違うと思います。
どちらかと言うと大事なのは父性と母性の割合なんじゃないかなと。

例えば母性70%+父性30%のような環境。
普段は母性で許容され守られているけど、なにかを決断する大事な局面や危険な場面では父性でぴしっと背を正すような。

というのも現代は夫婦共働きが多いし、テレワークも多いですよね。
夫婦と子どもの接する時間は以前とはだいぶ変わりました。
必ずしも父親が父性を発揮しなくても両親の中の父性と母性の割合に気をつけつつ子育てをしたらどうなんだろうかと思いました。

時代の流れと、現代に必要なもの

正義や規律を重視した父性の時代から、1960年代のカウンターカルチャーで反ベトナム戦争や自由・平等が叫ばれ父性は少しずつ弱くなっていきました。

私としてはここにポストモダンの相対主義が入ってきて確固たるものはないという思想から、父性の規律や威厳なども失われていったのではないかと思います。

そして男女同権、女性の社会進出が進むと男性が多く持っていた父性が煙たいもののように扱われ、更に父性は縮小。

こんな時代の流れとともに父性を失った後は父親探しがテーマの作品が生まれました。

本書の中の鬼滅の刃の分析でもわかるように、現代は父性と母性のバランスが大事。
ということは男女の性に関係なく、一人ひとりが自立し、己の中に明確なビジョンや信念を持つ父性と、人を愛し守る母性を育んでいくことが現代で必要とされていることなんだろうと思いました。

一言まとめ
「父性消滅の現代、一人ひとりが父性を自分の中に確立する」

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※本記事は個人的な読書感想・読書メモです。

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